11年前の明日未明、再婚した夫は息を引き取りました。
病院の玄関前に赤とんぼが群れて飛び、もう少し頑張れば涼しくなるよと話していた頃でした。
開け放った窓からこおろぎの鳴き声が今夜と同じように聞こえていました。
昨夜、その頃の日記をひも解いてみました。
切ないね~
私って、死後の世界とか成仏とか霊とか信じていないんです。
「死ねば死に切り」
さっきまで心にいっぱいの想いを抱えていた人が、物体としての体を残していなくなります。
彼を大好きだった人達の心の中にだけ生き続け、誰かが思い出してくれる時だけその人はそこにいる・・・
節目には花束を抱えてお墓に行きます。
掃除をして、心の中でお話して帰ってきます。
手を合わせては拝みません。
私の寝室のドレッサーの脇には、分骨して貰った夫の遺骨があります。
いつも一緒にいる感じかな。
再婚するに当たって彼の子ども達と話し合いを重ねた結果、私が彼の家のお墓に入らないことが結婚の条件の一つになりました。
霊を信じていないとか言いながら、お墓へ行くと、夫が亡き前妻さんと仲よく私を見ているような気がします。
こうして書いてみたら、
自分の心ながら、
なんと中途半端で自分勝手で無茶苦茶なことか!
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忘れてしまうことも良いことのように思います。
私は もうベッドに寝たきりになるまで、過去を振り返りたく
ないって思ってるんです。
寝たきりになった その時にこそ 心のアルバムを引っ張り出して、
いつ果てるともなく過去に浸ろうなんて夢見ています。
それでも振り返ってしまうことも多いのだけれど(笑)。